デザイン書道レッスン(教えている人が少ないのはなぜ?)
毎月2回、土曜日にオンラインでデザイン書道レッスンを行っています。
私は会社員のため平日の実施は難しいことが多く、開催日は生徒さんと相談をしながらではありますがほぼ週末の開催。
書道のオンラインレッスンでは正面と手元を映す用の2カメラ体制が多いので、ダイニングテーブルを使用することが多いです。
毎回課題の文字を書きますが、命名書を書きたいという相談があり、アドバイスをしながら作品を仕上げていくことにしました。命名書と言ってもよくある「命名●●」といった真面目な書き方ではなく、雰囲気のある名前のアート作品。10年以上前からアート風命名書と言いながら書いてきた正解のない書作品。書道の臨書のような見本通りに書ければよいというものではなく、自分なりの作風が必要なところが楽しくもあり難しいところです。
書道教室は多いけれど、書道教室でデザインも習いたいというと怪訝な顔をされるそうです。
どの先生も理由はそれぞれだと思いますが、私の経験から言えることは『自分が経験していないことは教えられない』ということ。
- 書道教室の多くにデザイン書道のジャンルがないためロールモデルが少ない
- 指導者自身、商業書道の経験がない、または少ない
- デジタル加工しなければならない場合のパソコンスキルが必要
- デザイン書道教室という存在が認知されていない
デザイン書道といっても、その先にお客様とのやり取りなどが繋がっていることが多いですよね。書道(または筆文字)のスキルはもちろんですが、お客様とのやり取りも必要になります。どのようにして依頼があって、やり取りをして詳細の確認ができたら、作品制作をして納品をして、報酬を頂戴する。そんな一連の流れにはビジネススキルも必要です。
ですので、そういったやり取りも含めた経験までとなると難しいのかもしれません。
私の書道の師は、デザイン書道教えてくださいませんでしたが、百貨店の筆耕をされていた時期があり、また、高いお酒の桐箱や、盆栽の名前用のプレートに直書きを頼まれてよく書いたりしていたそうです。その時のテクニックなどをよく聞かせてくださいました。とても実用的なアイデアで、今でもよく参考にさせて頂くことが多いです。
ですので、経験のないことを教えることは難しいという点において、デザイン書道の場合は、書き方の型や教え方、教えた先のゴールがないことなど、どこかしらで未経験のことなどがあって教えるのが難しいのではないかな、なんて思いました。
話を戻しますが、ご希望の命名書は無事に完成することができました。
作品に自身が持てず、どうしようかと困っていたけれど、おかげさまで完成しました。
自分で納得のいく作品が書けることはもちろん大切ですが、その先のお客様が喜んでいただけることも、大切なんですよね。自分のどんな作品に興味をもって依頼をしてくれたのか、そういった事前のヒアリングなどもデザイン書道の大事なところだなと思います。