手書きの履歴書・エントリーシートからわかること
3月1日から多くの企業で2023年卒の新卒採用が本格的にスタートしますね。
先日、ある専門学校のキャリアセンターでお話をお伺いさせていただく機会があり、手書きの事情について少しうかがうことができました。
その学校ではキャリアカウンセラーをはじめとする外部講師の方に就職講座を依頼されていて、就職指導の際の履歴書・エントリーシートは手書きの指導をしているそうです。
新卒の就職活動はナビサイトを活用したオンラインでの応募が主流となり、手書きの機会は減っているのかと思っていましたが、履歴書・エントリーシートに「手書き」を求められる機会はまだまだあるようです。特に指先を使う技術職などの場合は、パソコンよりも手書きの履歴書・エントリーシートを求められる企業が多いので、結果的に就職講座においても手書きで指導をすることになるのだそうです。
「字がきれいに書ける(またはうまく書ける)こと=手先が器用」と直結するわけではないと思いますが、技術職においては手書きと手先の器用さの関連性はゼロではないということができると思います。
手書きの履歴書を見たことのある経営者や人事担当者数十人に話を伺ったところ、手書きの書類を求める理由は大きく2つでした。
- 応募者数が多いので「手書き」を応募条件にすることで1つのハードルにしている
- 字に性格が表れるから
前者は、新卒採用などで応募者数の多い企業において、手間のかかる手書きを条件にすることでより志望度の高い方を採用したいという目的だそうです。
後者の字に性格が表れるというのは、手書きの履歴書を見たことのある人事担当者の中では共通認識だと思います。職務経歴のある中途ではなく新卒採用の場合、書類選考時に比較できる項目は下記の通りあまり多くありません。そのため、性格が表れる「手書き」は内容以外の要素として重要度は低くないのです。
応募する学生側の負担もありますが、手書きの履歴書・エントリーシートを応募の条件にすることは、選考スケジュールの問題で応募者全員と面接をすることができない企業側にとっても意味があります。
- 新卒採用時の応募書類の主な項目
- 氏名
- 住所等
- 学歴
- 資格
- 志望理由
- 学生時代に頑張ったこと
- 自己PR
- 手書きのどんなところに性格が表れるのか
- とめ、はね、はらい
- 字の大きさ、適度な余白
- レイアウト
手書きの場合、きれいな字(上手い字)でないといけないと思われる方が多いのですが、硬筆のような整った字である必要はありません。むしろ、適度な字の大きさで、曲がらず丁寧に書かれている書類が読みやすくてよい印象を持ちます。(もちろん、きれいな字は読みやすさの点で◎です)
当たり前なようですが、履歴書・エントリーシートを読むにあたり、ストレスなく読めることは内容に集中ができるので、すごくうれしいのです。読みやすい書類に多く共通してみられるポイントは下記4つ。
- 線の太さは0.5mm以上
- 字が小さすぎない
- 文章が曲がることなくまっすぐ
- 「とめ」「はね」「はらい」をきちんと書いている
上記は書く前の準備、または書く時に注意するだけでできることです。
人生に大きな影響する就職活動、大変だと思いますが、納得のいく活動になりますように。